2010年5月1日土曜日

新自動発注開発中。新といっても、非常に単純な方式

小売業において、「発注」業務というのは、コレマタ、色々と意見がある業務の一つだ。

・自動発注 vs 手動発注
・本部コントロール(プッシュ) vs 店舗コントロール(プル)
・需要予測型ロジック vs 単純明快ロジック

まあ、色々と議論がある。

1990年代は、自動発注に切り替えるというのも一つのトピックであり「自動発注なんてケシカラン」といった風潮もあった時代た。何がケシカランって、「発注は、小売業の生命線であり、それには、時間を割いて人間が行うべきだ」という論調があったのだ。これは、私はもとをただせば、IYの鈴木氏が、「発注業務の重要性」を説いていたのが、一つの要因であると思っている。

棚前で発注をひろうという行為は、商品の前出し、売れている商品の確認など利点があり、手動発注が良いという指摘がある。

これは、その通りであるが、自動発注の業務定義次第であると思う。

自動発注=システムが勝手に発注してくれる=在庫の欠品、過剰在庫はシステムの責任=自分の責任ではない。
と、いう認識の自動発注は、マズイ。それは、手動発注を推進したいという気持ちもわかる。

在庫の責任・コントロールというのは、間違いなく、売り場担当者の責任・コントロールが基本だ。(プッシュ型のアパレル企業などは本部にあるが)

だから、自動発注でも、売り場担当者が、自由自在にコントロールができる仕組みでないといけない。そのためには、発注ロジックというのは、単純明快じゃないとマズイのだ。

セルワンバイワン、発注点方式、最大最小方式などが最高であり、需要予測型(ベイズ予測など)は、よろしくない。

私も、過去、需要予測型の自動発注モジュールを販売・コンサルティングしていた人間だ。だから、需要予測型の自動発注がどういう動きをするのかは、相当、研究してきた。

結論からいうと、一店舗あたり、当該SKUが、一日に二桁以上の売上数がないと、需要予測型の自動発注は機能しない。1ヶ月に数個売れる商品の多い低回転型の小売業では、予測もへったくれもないのだ。
需要予測型は、数学でいう「傾き」=「予測」を導き出すわけであるが、一ヶ月に売上数が数個の場合、X軸に日、Y軸に売上数をプロットしたものを想像してほしい。さあ、来月の需要予測ができるだろうか? 傾きの精度が悪いのは、ロジックを知らなくてもわかることである。 
理論上は、そのような場合は、「スパイク型」の需要予測ロジックが・・・なんて、いう人もいるかもしれないが、それは、理論上の話であり、等間隔でスパイク(売れる日)がやってくるわけがない。
まあ、過去に、販売・コンサルティングしていた自分がいうのだから、間違いないと思っている。

2週間ほどで構築するので、5月に開始し、改善を繰り返し、完成させようと思う。